日吉台地下壕保存の会会報が届く

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今日、自宅のポストを見たら、日吉台地下壕保存の会の会報が届いていました。昨年11月に行った、第14回横浜・川崎「平和のための戦争展」の様子が掲載されていました。私もシンポジウムに参加したこともあり、シンポが行われた日のイベントについて感想めいたものを書かせて頂きました。以下、私が書いた部分の文章を掲げます(一部ブログ掲載用に修正)。

第14回横浜・川崎「平和のための戦争展」のイベントに参加して

2006年11月25日(土)、第14回横浜・川崎「平和のための戦争展」のイベントとして、「戦争観と追悼を考える」ことをテーマとしたシンポジウム、冨田祐一さん(青年劇場俳優・方言指導)のひとり語り「下級兵士がみた沈没戦艦武蔵の最期」、田中伸尚さん(ノンフィクション作家)の特別講演「靖国神社憲法」が行われました。
シンポは、韓国からの韓国出身留学生の鄭鐘南さん(大学院博士後期課程)、ドイツからのスイス出身留学生のクリスティアン・グミュアーさん(大学学部生)と日本側からとして皆川雅樹(高校教諭・大学院博士後期課程)がパネリストで、齋藤一晴さん(高校講師・大学院博士後期課程)が司会進行で、靖国神社と追悼というテーマで意見交流会を行いました。なお、このシンポのプレイベントとして、パネリストのメンバーで靖国神社の見学へと行っています。
留学生のお二人が、予想以上に熱く語ったこともあり、私がいる必要性がどれだけあったのか、疑問な部分もありますが、私も少々話をしてきました。留学生からは母国などの戦争に対する意識や靖国神社のイメージなど、「日本人」よりも意識的にとらえていることが示されました。また、専修大学新井ゼミの学生たちや(皆川・齋藤の)勤務校の高校生が2人来て発言するなど、戦争を知らない世代が積極的に参加し発言するという良い光景もありました。最後に、今回の戦争展の顧問でもある白井厚先生(慶應義塾大学名誉教授)から、戦争を知らない若い世代へ、改めてしっかりとした戦争観・追悼の意味を考えて欲しいとのコメントもあり、充実したシンポとなりました。
冨田さんの語りは、さすが俳優さんということもあり、ただただ聞き入ってしまいました。秋田県の小さな集落から徴兵で海軍にとられた戦艦武蔵の乗務員が見た沈没の様子を、あたかもそこで今沈没している戦艦があるのではないかと錯覚するほどの語りには脱帽しました。
田中さんの講演は、最初おだやかな感じで最近の安倍政権による政治情勢と歴史認識の問題から入り、そこからだんだんと気持ちが乗ってきて、最後の方ではかなりの熱弁となっており、時間も超過していましたが、聞き応えはありました。特に、近年の靖国参拝訴訟や合祀取消訴訟の実態を原告側の生の資料と聞き取りをもとにした説明を聞くと、国家と「靖国」、そして「国民」の歴史認識、それに関わり憲法「改正」と政教分離原則の意味などを改めて考えなければならないことを思い知られました。
1日という短い時間でこれだけの充実したイベントによって、戦争を知らない若い世代にどれだけ現状認識と戦争の意味を問うことができるかは計り知れません。しかし、この1日で終わりにするのではなく、ここから改めて戦争を問う意味を発信できればと考えるのは私だけではないと思います。日本が「戦争国家」にならないように…。