訃報・佐藤和彦さん

日本中世史研究者で歴史教育にも大きく貢献されていた佐藤和彦さんがお亡くなりになりました。本日、以下のようなメールがまわってきました。

去る5月13日、和歌山県立図書館(きのくに志学館)で行われた小山靖憲氏追悼フォーラムの会場で、参加されていた佐藤和彦氏が、討論時間にご発言された直後に突然倒れられ、近くの病院に運ばれましたが、まもなくお亡くなりました(急性心不全)。
突然の出来事で、会場にいた方々も驚かれたことと思いますが、私自身も、佐藤さんから向けられた質問にお答えする間もなかったことが何より残念で、悔やまれてなりません。
☆先生の交流範囲の広さを勘案し,混乱・ご遺族への負担を考慮して,新聞紙上では葬儀日程を公表しません。本メールを,積極的にお知り合い宛転送下さいますようお願い致します。

直接的な関わりはほとんでありませんでしたが、私が通っている大学院で一時授業を持たれていたこともあり(授業に出たことはありませんが)、飲みの席に同席したことやなぜか大学までのタクシーに便乗させてもらったりしたことがあります。
また、昨年の東京歴史科学研究会で大会報告をしたときに、最初に私に対するご質問したのが佐藤さんでした。戸田芳実さんの「富豪」層論についてどのように考えているのか?というご質問と平安期の博多の位置づけに関わるご質問を受けました。前者については、ほとんど答えられず、今思えば私にとっての新たな宿題が課せられたような気がします。
佐藤和彦さんのご冥福を心より、祈念申し上げます。
★佐藤さんの単著
○『中世内乱期の群像 (河出文庫)』 ○『「太平記」を読む―動乱の時代と人々
○『「太平記」の世界―列島の内乱史』 ○『中世の一揆と民衆世界
○『中世民衆史の方法―反権力の構想』 ○『日本中世の内乱と民衆運動 (歴史科学叢書)
○『南北朝内乱史論