講演会―その6、「軍事郵便」の研究を通して

minamasa2006-02-27

今日の午後は、地理学科・史学科クラス6回目の講演会でした。当初は、2月7日に行う予定の講演会でしたが、講演者の都合により今日となりました。
講演者は、専修大学の日本近現代史ゼミ(新井勝紘先生)の学部4年生である郡司篤さん、神崎梨沙さん、浦田大奨さんでした。今までご講演して頂いた人々とくらべて若い方々で、生徒たちにも近い世代の方々によるご講演となりました。それもそのはず、私より6年も後輩ですからね(笑)。
講演の内容は、彼らが中心となって成果をあげた研究についてです。専修大学新井ゼミでは、彼ら学部4年生を中心に、川崎市久本(高津区)に宛てた小泉博美(こいずみひろよし)の戦時中の軍事郵便(戦地から日本の家族などへの手紙)の研究をし、その成果を公表(『専修史学』37号、2004年)、また、昨年、展示も行い、各種新聞・ラジオなどで大きく取り上げられました。これらにまつわるお話をしてもらいました。
大学院生ではない大学学部の4年生が、研究し論文や展示という形で公表することが可能であることを知ってもらう絶好の機会となりました。さらに彼ら3人のうち、2人は大学院への進学を希望していますが、残り1人は一般企業へ就職します。
就職する彼にとって、今回の研究成果は内容的には今後の仕事に関係ないことだと思います。しかし、その彼は「今回の研究をすることによっていろいろなことを学び、さらに就職活動の際にも役に立った」という話をしてくれました。つまり、一つのことに真剣に向き合って努力をし成果をあげることによって、様々な“経験と力”を得ることができたといったところでしょうか。今回の研究に携わっていく中で、①様々な人に出会っていろいろな話を聞くこと、②昔の史資料を解読し分析することによって様々な発見をしていくこと、このような努力と苦労を通して成果を出すことによる達成感はこの上ない経験となると思います。
→①は仕事や研究をする際に最も重要な行動、②は仕事における問題解決能力にもつながっていくことです。
さらに、その成果を高校生にわかるように伝えるという今回の講演会、このことも彼らにとってこの上ない経験となってくれればと思います。
本クラスの生徒たちの中からも、何年後かに研究成果を公表する人が出てくるといいのですが。その際は必ず私のところへ連絡を!