地理学・歴史学の実践―その5

今日の午前中の3時間目は、昨日の授業の続きである「実践」の授業を行いました。4時間目は、10日も行ったディベートを同じテーマで行いました。
今日の「実践」のテーマと内容は以下の通りです。

■「アジア」とは何か?⑧―「日本」の「国境」と「東アジア」―
…「東アジア」という「世界」「地域」には、明確な「領域」「国境」「境界」があるのではないことを考慮しつつ、その中で「国境」というものに、いかなる意義があるのかを考える。今回は、日本の「国境」から考えた。近年の「日本」の「国境」問題を取り上げつつ、なぜ「国境」ができ、現在においてそれが機能しているのかを考えた。「国民国家」「バウンダリー」「フロンティア」など、難しい用語についても触れつつ、「国境」の問題を「東アジア」という「世界」でどのように考えていくべきか?を考えた。

この内容で、今回の「アジアとは何か?」は一応終了です。これまでのことで、地理学・歴史学を勉強するにあたって、現在において「国境」というものがあることを考慮しつつも、それを前提としない視点をもっと身につけていって欲しい(一国史的見方にならないようにして欲しい)と思います。生徒たちが、どれだけ理解できたか?頭の片隅くらいには持っていてくれると幸いです。
午後は、私が会議のため、授業はなしでした。
★今日の授業と関連する本
貴志俊彦・荒野泰典・小風秀雅編『「東アジア」の時代性』(渓水社、2005年)
○ブルース・バートン『国境の誕生―大宰府から見た日本の原形 (NHKブックス)』(NHKブックス922、2001年)
○ブルース・バートン『日本の「境界」―前近代の国家・民族・文化』(青木書店、2000年)
山田吉彦日本の国境 (新潮新書)』(新潮新書107、2005年)