地理学・歴史学の実践―その4

今日の午前中は、2月7日の授業の続きである「実践」の授業を行いました。
今日の「実践」のテーマと内容は以下の通りです。

■「アジア」とは何か?⑦―「東アジア」という用語―
…「東アジア」という枠組みは何を意味するのか?「東アジア」という用語の歴史的前提について考える。高校世界史の教科書や世界史辞典などを見ても、その意味内容は「曖昧」であり、人によって「東アジア」という用語の使い方が違うことを確認。また、「東アジア」という区切りや明確な領域などがないことを確認し、決して現在の国家を基準として分けられないことを認識。この他に、「東アジア文化圏」と「大東亜共栄圏」の違いについて、これから具体的な議論が行われる「東アジア共同体」構想について、近年のとらえ方を読みながら考えた。

先日の画策通り、「東アジア」についての学習の前段階です。といってもこのクラスの授業では、その先の「応用」まではできませんが…。私の方もまだ準備ができていません(笑→焦)。
今年の私自身の課題としては、「東アジア共同体」構想を歴史学側からどのように考えることができるか?です。重い課題だ…。
★今日の授業と関連する本
貴志俊彦・荒野泰典・小風秀雅編『「東アジア」の時代性』(渓水社、2005年)
○谷口誠『東アジア共同体―経済統合のゆくえと日本 (岩波新書)』(岩波新書919、2004年)
日中韓3国共通歴史教材委員会『未来をひらく歴史―日本・中国・韓国=共同編集 東アジア3国の近現代史』(高文研、2005年)
○李成市『東アジア文化圏の形成 (世界史リブレット)』(山川出版社、2000年)
○雑誌『世界』747、2006年1月号、特集「「東アジア共同体」―未来への構想」