講演会―その5、中国古代史を学ぶ

minamasa2006-02-09

今日の午前中は、地理学科・史学科クラス5回目の講演会でした。
講演者は、中国古代史がご専門の下田誠さん(東京学芸大学大学非常勤講師)でした。学習院大学での科研(http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/hist/office/gakushin)の「雑務」に追われているようで、かなりお忙しい中でのご来校でした。
下田さんの講演の内容は、①私と中国古代史・歴史学、②三国志研究の「難しさ」、③下田さんが現在行っている研究、についてでした。
①では、下田さんが歴史に興味を持った理由について、お話していました。中国の最初の歴史書である司馬遷史記』のあるフレーズが気に入ったことがきっかけだったそうです。「学びて思わざれば即ち罔し、思いて学ばざれば、即ち殆うし」。良い言葉だ!
②では、世に出回っているゲームや漫画・小説などの『三国志演義)』と実際に中国の正史として残っている陳寿の『三国志』とは違うものであることを説明した上で、それを歴史学という学問で実際に研究していくことの難しさを示してもらいました。また、近年発見された文字史料(「長沙走馬樓三国呉簡・竹簡」)によって、違うレベルでの研究が可能となっていることも示されていました。
③では、下田さんが近年注目している青銅兵器に書かれている文字の研究について、それに注目している歴史学(考古学を除く)の研究者が少ないことを教えてくれました。
また、下田さんは、東京学芸大学で中国語を教えていることもあって、大学での第二外国語の話に生徒たちの質問が及びました。
下田さんは、最初に私のことを「畏友」と言いましたが、私は「戦友」だと思っております(プロフィールにヒントがあります)。今後も、学会・研究・飲み会(笑)などでいろいろと教えてもらおうと思います。
午後は、プレゼン大会に向けての準備ということで班毎に各自調査・整理を行いました。今日は、2つの班が川崎・味の素工場(1班)、川崎大師(5班)へフィールドワーク。明日の調査報告が楽しみです。