電車はゆらゆら〜、私はフラフラ〜
ここ最近電車のなかで読んでいる本がありますが、これがサラーっと読んでもチンプンカンプン??(最近この言葉は聞かないなー)、読んでいるもう一方の片手に経済学・社会学・哲学などの辞典が必要になるような本です。
1ページ読むのに、何度も何度も繰り返し戻りながら読まないと理解できないようなもので、なかなか読み進めることができません。
- 作者: マッケンジー・ワーク,金田智之
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/07/21
- メディア: 単行本
- クリック: 20回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
【001】ひとつの二重性が世界を亡霊のように彷徨っている。その二重性とは、抽象化の二重性のことだ。国家、軍隊、企業、共同体の未来は、この二重の抽象化へと依存している。戦い続けるすべての階級は―その階級が支配するにせよ、されるにせよ―、この二重性を崇拝しており、そして今なお怯えているのだ。幸運を祈りつつ革新的な物事へと挑んでいく世界が、我々の世界なのだ。
【002】すべての階級は、世界のこの残忍な抽象化―すべての階級の未来が依存している抽象化―に恐怖している。すべての階級がそうだとしても、ただ一つ異なる階級がある。それがハッカー階級だ。我々は抽象化するハックする者である。我々は生のデータを抽出することで、新しい概念、新しい知覚、新しい興奮を生み出す。(以下略)(5頁)
16章に分かれていて、このような形で【354】までナンバリングされています。書くテーマ毎に書くナンバーが箇条書きのようになっているのですが、前後のつながりがないようであるので、これがまた難解にしているような気がします。ただ、ひとつひとつの文章を読んでいると「意味深な」ものが多く、それを突き詰めていくと物凄く勉強になることは間違いありません。
ちなみに各章の題目は、以下の通りです。
*抽象化 *階級 *教育 *ハッキング
*歴史 *情報 *自然 *生産
*所有 *表象 *反乱 *国家
*主体 *剰余 *ベクトル *世界
これらのキーワードをみただけでも、少し読みたくなった人がいるのではないでしょうか?特に歴研関係者(この言葉は「内輪」ネタかも)。
訳者の金田さん(前にも書きましたが、ちょっとした知り合いであり「戦友」です)、読破するまで私の感想などはしばらくお持ち下さい。
そして、私のような歴史を専門にする方々、みなさんも是非読んでみて下さい。初めて石母田正『日本の古代国家』を読んだときのあの実感が味わえるかも知れません(笑)。