単純な輝き、しかし奥は深い

自分自身の勉強のために、少し前から気になっていた、上野の国立科学博物館の特別展“「パール」展”に行ってきました。
科学博物館ということもあって、真珠について、生物学的の立場から説明が始まり、以下、装飾品・美術や歴史的流れなどについて、様々な角度から真珠を解剖し、さらに真珠の育つ環境の問題や養殖の歴史的展開など、いままで私が知らなかったことが満載でした。図録も説明が多く非常にいいものとなっています。
今年行った展示の中で、これが一番見応えのあるものだと思います。
真珠は私が研究している「唐物」とも密接に関わるモノです。
11世紀成立の『新猿楽記』(八郎真人の段)に商人八郎真人が扱うものとして「唐物」と「本朝物」があり、真珠は「本朝物」に「阿古夜玉」として列記されています。
真珠が育つ良質な貝としてアコヤガイがあります。
貝は、南島のヤコウガイなど、古くから貴重なモノが多くあり、人類の冨の象徴として重要な役割を持っています。また、貝は食料など生活レベルでも人類にとって重要な存在です。
真珠は輝きだけではなく、いろいろなことを私たちに教えてくれます。