木村茂光「いま、歴史学に問われていること」を読む

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東京歴史科学研究会が主催した講座の内容である、木村茂光「いま、歴史学に問われていること」が『人民の歴史学』171号(2007年3月)に掲載されています。
詳しくは、本誌をじっくりと読んで頂きたいのですが(といっても専門的雑誌なので入手しにくいですが…)、私が特に興味を持ったのは、「戦争」との関連のお話です。

テロを撲滅する目的で戦争をしている、といってもよい状況が続いています。私たちが考えてきた戦争概念とまったく違う戦争がいたるところで起こっているわけです。その意味では、歴史のなかの「戦争」をとらえ直す、ということも、これからの歴史学にとっては重要な課題になると思います。/(中略)高橋昌明さんが指摘している通り、日本近代の天皇は、立憲君主であると同時に軍人ですね、大元帥という地位をもっているわけです。したがって、日本の武士政権は鎌倉幕府の成立から江戸幕府の崩壊まで約700年間続いた、などといわれますが、さらに1945年までの80年ほどを付け足さないといけない。(中略)/もし、上記のように中世に誕生した武士政権的な権力構造が明治政府のそれまで規定しているとすれば、「戦争」という課題は近代・現代に限定されるものではなく、まさに、中世史、近世史を貫通する課題であることになると思います。【11頁】

木村氏の講演内容を読んでいて、改めて、日本史の授業を「現在」を基点として、「戦争」「民衆」「(東)アジア」という視点で計画を組んでみたいと思う今日この頃です。