地理学・歴史学の実践―その1

今日の午前中は、久々に?初めてか?講義中心の授業を行いました。
「実践」の授業では、プレゼン大会に向けて「小さな地域」である川崎について調査しているので、私の方ではもっと大枠の話をしようということで、テーマを「アジア」にしました。
今日の授業のテーマと内容は以下の通りです。

■「アジア」とは何か?①―地理学・歴史学で「世界」を研究するにあたって―
…「世界」「国際」「グローバリゼーション」という言葉の持つ意味と現代における問題のとらえ方を扱いました。
■「アジア」とは何か?②―「世界」における「ヨーロッパ」と「アジア」の区別―
古代ギリシアにおける「世界」認識としての地図の歴史と「ヨーロッパ」「アジア」の区別の誕生の背景について扱いました。

久々の講義形式の授業でしたので、聞いている生徒も授業をしている私もかなり疲れた感じでした。次回は、同テーマで古代中国の「世界」観と地理学的規定から見た「アジア」について行う予定です。
午後は、昨日に引き続き、プレゼン大会に向けての準備ということで班毎に各自調査をしていました。今日はさすがに、近くの地域の市立図書館へと行く班が出てきましたが、一方で校内でダラダラとしながら図書館やネットを利用して、意地でもどこにも行かずに何とかしようと思っている班もあるような感じがします。そんな生徒たちが、大学で地理学科・史学科に行ったら、間違いなく脱落しますね。
物事をラクにこなして何が楽しいのか?いいものを作り上げた方が絶対に楽しいし、大学に行ったら、やらなくてはならないからなんとかやれるなんて思っているヤツに限って、何もできなかったりする、それはそうだ、何かに向けて努力を傾けなければならないときにできないのだから…。
オアトガヨロシイヨウデ(?)。
★今日の授業と関連する本
・伊豫谷登士翁『グローバリゼーションとは何か』平凡社新書150、2002年)
・織田武雄『地図の歴史 世界篇 (講談社現代新書)』(講談社現代新書368、1974年)
・伊藤俊太郎「アジアの語源、意味の拡大」(『AERAMookアジア学のみかた。』朝日新聞社、1998年)
・岡崎勝世『世界史とヨーロッパ (講談社現代新書)』(講談社現代新書1687、2003年)
松枝到アジアとはなにか』(大修館書店、2005年)