日々の出会いでさらなる勉強

研究論文の抜き刷りを頂きました。近藤さん、新島さん、ありがとうございます。
○近藤浩一「赤山法花院と平廬軍節度使」(韓国語)(『韓国古代史研究』28、2002年12月)
 …すみません。韓国語なのでほとんど読めません…。
○近藤浩一「九世紀中葉・聖住寺と新羅王京人の西海岸進出」(平成13年度〜平成16年度科学研究費補助金(基盤研究C(2))研究成果報告書『入唐求法巡礼行記』に関する文献校定および基礎的研究、2005年3月)
 …韓国西海岸忠南保寧に創建された禅宗寺院である聖住寺は宗教的拠点であると同時に東アジア海域における交易の拠点として九世紀後半以降発展していくことが具体的に検討されています。
○新島奈津子「古琉球における那覇港湾機能―国の港としての那覇港―」(『専修史学』39、2005年11月)
 …近年、アジア海域における「港市」の議論とも相通ずる、ネットワークの点としての那覇港の歴史的機能性について検討した力作です。ただ、「公的」「私的」「非公式」の交流を明確に区分して検討してしまったせいか、それらとは区別が付けづらい「曖昧な」交流・交通としての実態が見えにくくなってしまったのでは?と感じました。重層的・多元的交流を問うのであれば、手続き・制度的区分けの前に実態に則した検討から入ったほうが良かったかも知れません。

☆近藤さんにしても、新島さんにしても、古代・中世の海域ネットワークの点を具体的にかつ発掘成果も加味しながら検討する基礎的研究です。私の場合、大風呂敷を広げての議論ばかりしているので、こういう緻密な研究をしなければと思う今日この頃です。