他時代の研究会へ

今日は午後の時間を使って、明治大学リバティータワーで行われた歴史学研究会日本中世史部会の例会に行ってきました。
私の専門は日本古代史ですが、たまにこういう形で他の時代の研究会にも行くようにしています。他の時代の研究会に行くと、同時代の研究会ではあまりやらないような手法やその後の歴史的展開を知ることができ、かなり勉強になります。
今日の報告は、千々和到氏の「中世後期の誓約の作法」というものでした。かねがね千々和さんの「誓約」論には興味があり、今回思い切って出かけたわけです。ただ、「中世後期」ということで話は16世紀、戦国時代の話が中心であり、正直、時代背景や史料の読み方などはついていくことができませんでした。
内容は、中世以降の起請文の話で、これは神仏を仲介として両者が約束をする文書です。詳しいことは省略しますが、「血判」の見分け方、「牛玉宝印」、起請文の文書様式の変化など、戦国時代を経て、織豊期あたりを契機にかなり変化していくことを教えられました。
特に、血判は時代劇のように親指でしっかりと押しつけるようなものではなく、薬指(男は左、女は右)のツメの生え際を少し切ってちょこんと押すもので、実際の文書を見てもなかなか見分けるのが難しいということでした。活字になっているもので血判のある/ないについては、自分自身の目でしっかりと実物を見ないと判断できず、写真帳などでもそれは判断しがたいとのこと、改めて実物を自分の目でしっかりと調査する重要性を教えられました。
これからも他時代の研究会には、いろいろと行ってみたいと思います。また、日本史だけではなく、他地域史の研究会にも、もっと行ってみたいと思います。