王権研究会では…

王権研究会では、保立道久著『黄金国家』(青木書店、2004年)の合評会が行われました。
私は、亀井健太郎さんとともに(亀井さんは年上ですが、大学院入学同期生です)、コメンテーターという荷が重い役回りをしてきました。前回書いた予測通り、亀井さんは王権・仏教担当、私は黄金・外交担当というすみ分けが見事に行われてよかったです。
亀井さんは、金輪聖王と黄金イデオロギーについて、具体的な史料から疑問を投げかけていました。私は、史料なしで『黄金国家』を「対外関係」史、「国際関係」論から見た場合どうなるかということを理論的(そこまでいっていなかったかもしれませんが?)に批判的検証を行いました。
また、保立さんからは、「君が代」の歴史から見た天皇と摂関の関係についての報告があり、非常に興味深い指摘が為されました。
私のコメントは、王権研究会という場ではふさわしくなかったかもしれません。また、私が言いたかったことが伝えきれなかったかもしれません。他の方の研究に対して、直接的にコメントするというのは難しいと、改めて痛感しました。