王権研究会・第19回例会のお知らせ

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王権研究会のお知らせが来ました。
最近、参加していないのですが、今回のテーマは音楽史をがじった(『《琴》の文化史 東アジアの音風景(アジア遊学126号)』直接音楽的な内容には至りませんでしたが…)私としては気になるテーマです。

王権研究会・第19回例会
日時:3月13日(日)13:00〜17:00
場所:専修大学神田校舎7号館744教室
報告者:田中禎昭氏「鼓吹と王権−古代軍楽のイデオロギー」(仮)

<本例会の趣旨>
孔子に「制礼作楽」の語があるように、「礼」と「楽」は不可分のものととらえられるべきである。古代の統治イデオロギーとして「礼制」・「礼秩序」の重要性が指摘されているが、「楽制」との関係は充分に説かれていない。こうしたこれまでの研究の欠を補うのが、近年では中国史家の渡邊信一郎氏の研究であるが、日本古代の実態についてはなお未解明の点が多い。
他方、日本中古の文学研究にも音楽・楽器に着目した研究があり、王権論への架橋が可能であると考えられ、また、中世史においても、豊永聡美氏による『中世の天皇と音楽』に代表される王権・権門と音楽との関係を究明する研究も増えてきている。
今回の例会は、渡邊氏の研究を批判的に検討されている田中禎昭氏に報告をお願いし、倭国・日本の「楽」制の特色を王権論の観点から考え、古代音楽史の再検討を通じて、「礼楽」研究の重要性を確認してみたい。(荒木敏夫)
<報告のねらい>
律令国家の軍楽として知られる鼓吹と鼓吹隊について、その日本古代的特徴を王権論との関わりのなかで明らかにしていきたい。
日本古代の鼓吹研究は、古代軍制史研究と古代音楽史研究の狭間にあって立ち後れの目立つ分野といえ、竹居明男氏による鼓吹の制度史的概観、林屋辰三郎氏、荻美津夫氏による衛府の奏楽論の中で論及されるほかは、その専論はほとんど見られない。
一方、近年、東洋史の分野では、鼓吹楽を中心に隋唐期の楽制改革論を論じられた渡辺信一郎氏の研究が、推古期の遣隋使論にまで多大な影響を及ぼしているのは周知の通りである。渡辺氏の一連の研究は、対外関係史的意義にとどまらず、日本古代の鼓吹の内容・構成・特質について、内在的レベルで隋・唐のそれとの比較を深化させる研究条件を整えるものともなっている。
本報告では、こうした研究状況を踏まえながら、日本古代の鼓吹隊(軍楽隊)の編成と鼓吹人の階層的特徴、および鼓吹の音楽的特徴に焦点を当て、それらがいかなるイデオロギー的特徴を有するのかという論点について、可能な限り迫ってみたい。(田中禎昭

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