『もののけ姫』と現代的課題

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今日は23日の授業を受けて、『もののけ姫』から見た現代的課題について、生徒たちに意見を出してもらいながら議論しました。
地理学科と史学科に進学する生徒に各々分かれて意見交換・討論をしてもらった上で、全員で意見を言うというスタイルで行いました。
生徒たちから出た意見は、大枠として、自然と人間との関係、物語の設定とその背景にあるものの意味という2つの視点からのもののみでした。生徒たちからの意見を受けて、私の方からは、まず登場するキャラクターの歴史的特徴を映像を見ながら説明した上で、それらの関係における現代的なメッセージ性を説明しました。
私が望んでいた開発・自然・環境・戦争を総合的にとらえた現代的課題を見出すというところにまで至らなかったのは残念ですが、1つの作品をただ観るのではなく、いろいろな視点・観点で深読みと分析が可能であることを理解してくれたのでは?と思っています。時間が無くて感想を聞くのを忘れてしまい、どんな反応だったかわからなかったことも残念ですが…(良かったら、感想をコメントとして寄せて下さい!)。
来年度は、どこかの機会で、この『もののけ姫』を年間通じて分析するという授業ができると面白いと思う今日この頃です。
◇「今回の授業と関連する本」ということで、生徒たちに紹介した本
<エミシ>
*小山修三+岡田康博『縄文時代の商人たち―日本列島と北東アジアを交易したびと―』(洋泉社新書、2000年)
工藤雅樹蝦夷の古代史』(平凡社新書、2001年)
*熊谷公男『蝦夷の地と古代国家』(山川出版社、2004年)
*海保嶺夫『エゾの歴史―北の人びとと「日本」―』(講談社学術文庫、2006年)
<日本列島の中世社会と現代>
網野善彦『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980年)
網野善彦『異形の王権』(平凡社ライブラリー、1993年)
網野善彦『無縁・公界・楽―日本中世の自由と平和―』(平凡社ライブラリー、1996年)
網野善彦『日本社会の歴史』上・中・下(岩波新書、1997年)
網野善彦『東と西の語る日本の歴史』(講談社学術文庫、1998年)
網野善彦『日本の歴史00「日本」とは何か』(講談社、2000年a)
網野善彦『歴史と出会う』(洋泉社新書、2000年b)
網野善彦宮田登『歴史の中で語られてこなかったこと―おんな・子供・老人からの「日本史」』(洋泉社新書、2001年)
網野善彦『日本の歴史をよみなおす(全)』(ちくま学芸文庫、2005年)
網野善彦『中世の非人と遊女』(講談社学術文庫、2005年)
網野善彦『日本中世に何が起きたか―都市と宗教と「資本主義」―』(洋泉社、2006年)
赤坂憲雄編『追悼記録 網野善彦』(洋泉社新書、2006年)
宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫1984年)
宮本常一『日本文化の形成』(講談社学術文庫、2005年)
*聖戒編(大橋俊雄校注)『一遍聖絵』(岩波文庫、2000年)
*清水三男(大山喬平・馬田綾子校注)『日本中世の村落』(1996年)
*黒田日出男『[増補]姿としぐさの中世史―絵図と絵巻の風景から―』(平凡社ライブラリー、2002年)
藤木久志『戦国の作法―村の紛争解決―』(平凡社ライブラリー、1998年)
<日本列島と神々>
◎斎藤英喜『読み替えられた日本神話』(講談社現代新書、2006年)
佐藤弘夫『神国日本』(ちくま新書、2006年)
<環境問題他>
*安室知編『歴史研究の最前線Vol.2環境史研究の課題』(吉川弘文館、2004年)
田中優『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』(岩波ブックレット、2006年)
◎クリストファー・フレイヴァン編著『ワールドウォッチ研究所 地球白書2006-07』(ワールドウォッチジャパン、2006年)
梅棹忠夫編『日本文明77の鍵』(文春新書、2005年)
*寺西俊一監修・東アジア環境情報発伝所編『環境共同体としての日中韓』(集英社新書、2006年)
*沼田真『自然保護という思想』(岩波新書、1994年)
*池谷和信編『地球環境問題の人類学』(世界思想社、2003年)
*大塚柳太郎・河辺俊雄・高坂宏一・渡辺知保・阿部卓『人類生態学』(東京大学出版会、2002年)
中尾佐助中尾佐助著作集6照葉樹林文化論』(北海道大学出版会、2006年)